「リビングにはソファが必須」と思っていませんか?
実は最近、あえてソファを置かない選択をする人が増えています。
私は25年以上インテリアコーディネーターとして住まいづくりに携わってきましたが、
ソファなし生活には驚くほど多くのメリットがあります。
もちろんデメリットもありますが、工夫次第で快適に「ソファなしでくつろぐ」暮らしは実現可能です。
ソファを置かない6つのメリット
部屋が広くなり開放感が生まれる
ソファはサイズが大きく、リビングの床面積を大きく占有します。
なくすだけで数㎡分の余白が生まれ、実際の面積以上に「広さ」や「開放感」を感じやすくなります。
特にマンションや狭小住宅では、ソファを置くか置かないかで暮らしやすさが大きく変わります。

プロからのアドバイス
「床が見える面積=体感の広さ」に直結します。
家具を低く・少なくすることで、視線の抜けが良くなり、心理的にもリラックスできる空間になります。
レイアウトの自由度が高まる
ソファは重量もあり、移動が大変。置く位置がほぼ固定されるため、模様替えの自由度が低くなります。
一方、ソファをなくせば、ラグや座椅子、フロアクッションを自由に配置でき、その時々の生活スタイルや気分に合わせたレイアウトが可能になります。
例えば、
- 子どもが小さい時期 → 広々としたプレイスペースに
- 模様替えが好きな人 → 季節ごとにレイアウトを変える楽しみが生まれます
掃除がラクになる

ソファの下は「ホコリ・毛・小物」が溜まりやすい定番スポット。
特にペットや子どもがいる家庭では、気づかないうちにソファ下が“第二の収納場所”になってしまうことも…。
ソファをなくせば掃除機やロボット掃除機の動線がスムーズになり、掃除時間が短縮され、衛生的な暮らしを保ちやすくなります。
子どもやペットが安全に遊べる

ソファは子どもの“ジャングルジム”になりがちで、飛び降りや転倒によるケガのリスクがあります。
ペットもソファの上り下りで足腰を痛めたり、爪とぎの被害が出たり…。
ソファをなくすとリビング全体がフラットな空間になり、子どもやペットがのびのびと走り回れる安全な遊び場になります。
ソファ購入費用を抑えられる
ソファは大きな家具の中でも高額な部類。
10万円以上かけても数年でへたりが出たり、引っ越し時に運搬コストがかかったりと、意外とコストの負担が大きい家具です。
ソファを思い切って手放せば、その分の費用を上質なラグ・クッション など、より長期的に役立つアイテムへ投資できます。
だらだらうたた寝を防げる

「気づけばソファでうたた寝」…という習慣は誰しも経験があるはず。
しかしこれは腰や首に負担をかけ、睡眠の質を下げる原因にもなります。
ソファがなければ“うたた寝の誘惑”から解放され、夜はベッドでしっかり眠り、昼はワークチェアやハンモックで休憩する、といった ON・OFFの切り替えが明確な暮らし が実現します。
ソファをなくすことで得られるメリットはこれほど多くあります。
しかし、インテリアコーディネーターとして25年以上暮らしを見てきた経験から言えるのは、
「どんな選択にも必ず表と裏がある」ということです。
次に、ソファをなくした生活で注意すべき デメリット【3つ】 を見ていきましょう。
ソファなし生活の3つのデメリット
来客対応に不便

ソファは「ゲスト用の席」としても機能します。
一人暮らしでは気にならなくても、友人や家族が来たときに椅子や床座りだけだと、もてなしにくさを感じる人も多いです。
特に年配の方や足腰が弱い人には、床座りが負担になるため「ちょっと腰掛ける場所がない」不親切さにつながることもあります。
座り姿勢が安定しない

床座りやクッション生活では、背もたれや座面の高さが一定でないため、姿勢が崩れやすくなります。
長時間過ごすと「猫背になりやすい」「腰痛が悪化する」といった身体的なデメリットが出る可能性があります。
ソファは背もたれや座面の高さで「自然と楽な姿勢」を作りやすい点で優れています。
インテリアがシンプルになりすぎる
ソファは部屋の「主役家具」のひとつです。
なくすことで空間はすっきりしますが、人によっては「殺風景」「物足りない」印象になることも。
特にリビングでは「居心地の良さ」や「ホテルライクな雰囲気」を演出しにくくなる可能性があります。
ソファなし生活には、多くのメリットがある一方で、いくつかの不便さや物足りなさを感じることもあります。
しかし、これらのデメリットはちょっとした工夫で十分カバーできます。
次は、ソファなしリビングを快適にする5つの工夫 をご紹介します。
ソファなしリビングを快適にする5つの工夫
ふかふかのラグを敷く
ラグは「床座リビング」の心地よさを大きく左右します。
厚みのあるシャギーラグや低反発タイプを選ぶと、座ったときの体への負担を軽減できます。
さらに、床暖房やホットカーペットと組み合わせれば冬場も快適に過ごすことができます。
クッションをたっぷり置く
大きめのクッションやビーズクッションをいくつか用意すると、背もたれや肘置きの代わりになります。
座布団感覚で使えるので来客時にも柔軟に対応でき、部屋全体がくつろぎモードに。デザインや色を揃えると統一感が出ます。
一人がけソファをプラスする
「ソファなし」といっても、座り心地の良い一人がけソファを1脚置くのはおすすめです。
読書やリラックスタイムの“特等席”になり、クッションやラグと合わせることで多様な過ごし方ができます。
大きなソファほど圧迫感がないため、部屋も広く見せられます。
ここで是非おすすめしたいのは、リーン・ロゼ 「ロゼブリガンタン」です。
私はこれまで1000以上のソファを座り比べてきましたが、ひとり掛けソファにおいて
このソファはトップクラスの座り心地の良さです。
包み込まれる感覚がありながらも沈み込みすぎない座り心地。
存在感がありながら、女性でも簡単に持ち運ぶことができる軽さ。
決して安くはありませんが、座りごごち、デザインとも価格以上の価値があると言えます。
ローテーブルでくつろぎ感を出す
床座スタイルには低めのテーブルが相性抜群。食事や作業がしやすい高さを選ぶと、自然とリビングで過ごす時間が快適になります。
キャスター付きや折りたたみ式なら、用途に合わせて移動も簡単にできます。
ハンモックで遊び心をプラス
意外と取り入れやすいのがハンモック。
専用スタンドに設置すれば、座るだけでなく軽く横になることもできます。
ソファの代わりに“揺れながらくつろぐ”スタイルは、リビングに遊び心と非日常感を添えてくれます。
まとめ:ソファがなくても、くつろぎはつくれる
私たちはつい「リビングにはソファが必要」と思い込みがちです。
けれども実際は、ソファを置かないことで広さや自由度を手に入れ、
暮らし方に合わせた“本当のくつろぎ”をデザインすることができます。
クッションやラグで床座を楽しむ、読書に一人がけソファを用意する、
気分転換にハンモックで揺れる…。どれもソファに頼らない新しいスタイルでありながら、
十分に心地よさを味わえます。
「こうでなければいけない」という固定概念を手放した瞬間に、
住まいはもっと自由で豊かな空間に変わります。
ソファを置かないという選択肢をきっかけに、あなたの暮らしにも、
遊び心と余白のあるインテリアを取り入れてみませんか?




